初代理事長 立花 直子( -2019)
2019 年 12 月 11 日
ISMSJは、2008年8月の創設以来、職種や専門分野を超えて日本の中で実行と維持が可能な正しい「睡眠医学」を学べる場をつくり、それを実践する人々が連携しあえる学会を目指してきました。7年目を迎え、ISMSJの理念に賛同いただける会員が増加し、徐々に活動も浸透してまいりました。一方、規模が大きくなるにつれ、組織としての透明性や社会的信頼性を一層確保する必要も生じてきました。これらの背景から、ISMSJは、従来の任意団体から一般社団法人への移行を2014年度理事会・実行委員会にて立案し、総会にて決議いたしました。2014年12月26日に登記手続きを完了し、ISMSJの日本語表記は正式に「一般社団法人 日本臨床睡眠医学会」となりました。
さらに2017年5月、ISMSJはWSS(World Sleep Society)の関連学術団体として承認されました。WSSは、従来のWASM(World Association of Sleep Medicine)とWSF(World Sleep Federation)との統合により2016年に設立された新しい学術団体で、WASM設立の精神を引き継き、睡眠や概日リズム、スリープヘルス、睡眠関連疾患の知識を世界中に啓発することをMissionに掲げています。これは「世界に通じる日本の睡眠医学をつくる」というISMSJのMissionにも
合致するものです。ISMSJがWSSの関連学術団体として認められたことにより、より世界標準の「睡眠医学」に触れる機会
が増え、日本における「真の睡眠医学」の確立につながるものと期待しています。
今後もISMSJのMissionは変わることなく維持され、引き続き「睡眠医学」と「その周辺領域のプライマリ・ケア」とを理解し、全体を鳥瞰できるようになるための学びと、身近な疑問が研究につながるプロセスを経験できる学術集会運営を大きな柱として、今後の活動を発展させていきます。なお、「医学」という名称がついてはいますが、「医学」は医師や看護師といった医療に直結する人々が携わる狭い領域のものではなく、人々が健康に幸福に生きていくために必要な方策を追求する実践的な科学領域であり、自然科学、行動科学、人文科学などすべてを包括して「睡眠医学」が成り立つよう推し進めていきたいと思います。