第8回ISMSJ学術集会の特別講演
2016 年 5 月 9 日
第8回ISMSJ学術集会の特別講演は、
カリフォルニア大学サンディエゴ校の精神医学講座名誉教授、研究教授として活躍されている
Sonia Ancoli-Israel先生です。
第8回ISMSJ学術集会では、特別講演にカリフォルニア大学サンディエゴ校の精神医学講座名誉教授、研究教授として活躍されているSonia Ancoli-Israel先生をお招きして、がん患者に光療法を適用すると、睡眠、倦怠感、そして概日リズムの乱れがどのように改善するのかについてお話ししていただきます。 Ancoli-Israel先生はニューヨーク州立大学で心理学を学ばれ、サンディエゴ校に移られてからはKripke教授とともに睡眠研究に従事されてきました。これまで、高齢者の睡眠ならびに睡眠障害についての多くの業績があり、ご存知の方も多いと思います。睡眠全般に対する著書も多く、日本でも、「ぐっすり眠りたいあなたへ」(原著:All I want is a good night’s sleep)が翻訳出版されています。
また、私たちが睡眠ポリグラフ検査時の判定に用いる「AASMによる睡眠および随伴イベントの判定マニュアル」の作成にも統括委員として関与しとくに高齢者の作業班の長としてご尽力なされました。National Sleep Foundationの理事会の設立にも寄与され、最近では、国立がん研究所の睡眠障害関係の研究プロジェクトに取り組まれ、乳がん患者における睡眠の問題、光療法の効用についての研究を進めています。
今回のテーマである健康の維持あるいは身体疾患の睡眠問題を解決する際に「光環境」が重要な因子のひとつであることが皆さまにお伝えできることと思います。
光環境に関連した論文
■1■ Sonia Ancoli-Israel, et al.: Sleep, Fatigue, Depression and Circadian Activity Rhythms in Women with Breast Cancer Before and After Treatment ; A 1-year longitudinal study. Support Care Cancer, 22(9): 2535-2545, 2014.
■2■ Sonia Ancoli-Israel, et al.: Light Treatment Prevents Fatigue in Women UndergoingChemotherapy for Breast Cancer. Support Care Cancer, 20(6): 1211-1219, 2012.
■3■ Sonia Ancoli-Israel, et al.: Increased Light Exposure Consolidates Sleep and Strengthens Circadian Rhythms in Severe Alzheimer’s Disease Patients. Behavioral Sleep Medicine, 1(1): 22-36, 2003.