日本臨床睡眠医学会
~日本に境界なき睡眠医学を創る集い~

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第1回 睡眠医学コーディネーター講習会

2009 年 9 月 29 日

 ISMSJでは、職場や地域、医療・介護施設など様々な現場で、睡眠に関する相談や問題を扱う機会が多い看護師、臨床検査技師、保健師、及びそれに準ずる保健医療職にある方に対して、睡眠と睡眠関連疾患の基礎知識を身につけていただくための講習会を企画いたしました。

 講習会は「双方向性」を心がけ、ロールプレイで参加者のニーズを引き出し、その場で講義内容を調整するという講師泣かせのプログラムでしたが、双方向性の内容になったと思います。
 参加者の中には、医師の指示で検査を担当するのみで、患者さんへの指導に直接携わることが少ない臨床検査技師の方なども多かったことから、コミュニケーション技法のアドバイスなども含めた臨床現場を想定した統合的な内容を心がけました。
 
 講義の内容は、睡眠医学の生理から病態まで広い範囲をカバーしながらも表面的にならないように、講義終了後に直ちにロールプレイで得たばかりの知識を確認するというスタイルをとりました。このように、頭と体をフルに使っての学習形態でしたので、居眠りどころか眠気を催す余裕もなく、すべての過程を終えることができました。
 
 講習会を修了された方には、「睡眠コーディネーター」としてISMSJに登録させていただき、日本の睡眠医学発展の担い手として活躍していただきたいと考えています。さまざまな医療関連の学会には専門医、認定医、認定看護師あるいは認定技師などの制度がありますが、これらは、専門職としての意味合いが強く、医療機関への受診以前の、睡眠に関連した健康相談を受ける方々を対象としていないなどの問題もあります。

 ISMSJでは、職種の垣根を越えて、睡眠医学の知識を身につけ、健康管理を指導できる人材を育成し、社会へ貢献したいと考えています。  
    
(金沢医科大学 医学教育学 堀 有行 記)

2009年9月4日(金) 13:00~17:20
13:00~13:10 開会の挨拶とオリエンテーション
13:10~14:30
1部
<睡眠に関連した健康相談>
グループワーク1 (約35分)
 睡眠に関連した健康相談の実際
講義1 睡眠の生理
 足立 浩祥(大阪大学・保健センター)
グループワーク2 (約30分)
 睡眠に関連した健康相談の実際
息抜きミニ講義 (約6分)
 コミュニケーションを円滑にするヒント
14:40~16:50
2部
<睡眠診療のプロセスに対する助言>
グループワーク3 (約35分)
 睡眠診療のプロセスに対する助言の実際
講義2 主要な睡眠関連疾患(約60分)
 閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS) 
  渡辺 琢也(小阪病院)
 OSAS以外の眠気・過眠を示す疾患
  杉山 華子(関西電力病院・睡眠関連疾患センター)
 夜間の異常運動・行動を示す疾患
  大倉 睦美 (大阪回生病院・睡眠医療センター)
グループワーク4 (約30分)
 睡眠診療のプロセスに対する助言の実際
 模擬患者に対するシミュレーション
17:00~17:20 全体討論

2009年9月5日(土) 9:00~13:30
9:05~10:20 Sleep technical course 1*
(睡眠医学コーディネーター講習会を兼ねる)
CPAP外来の実際-医師の工夫・技師の工夫・システムとしての工夫-
【座長】天理市立病院 内科 大西徳信
【プレゼンター】大西徳信、千崎香、谷口充孝、田中まなみ
10:30~11:45 Sleep technical course 2*
(睡眠医学コーディネーター講習会を兼ねる)
糖尿病診療において睡眠医学は何ができるか?
【座長】関西電力病院 睡眠関連疾患センター 立花直子
【プレゼンター】矢部大介、丸本圭一、立花直子
11:50~12:50 Luncheon seminar
(睡眠医学コーディネーター講習会を兼ねる)
【座長】関西電力病院 院長 清野 裕
Oxidative stress and inflammation in metabolic syndrome and cardiovascular morbidity in sleep apnea
 Dr Lena Lavie (Technion-Israel Institute of Technology)

ファシリテータ
大阪大学・保健センター 三上 章良
関西電力病院・睡眠関連疾患センター 立花 直子
小阪病院 渡辺 琢也
大阪大学・保健センター 足立 浩祥
大阪回生病院 睡眠医療センター 大倉 睦美
大阪大学大学院
子どものこころの分子統御機構研究センター
加藤 久美
筑波大学 睡眠学講座 佐藤 誠
金沢医科大学・医学教育学 堀 有行