日本臨床睡眠医学会
~日本に境界なき睡眠医学を創る集い~

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組織委員長挨拶

2019 年 12 月 11 日

 

 この度、第12回日本臨床睡眠医学会を2020年10月23日(金)~10月24日(土)の2日間、大阪市のなんばスカイオで開催させて頂くことになりました。
今回のテーマは、「睡眠医学の多様な魅力」とさせていただきました。睡眠医学のもつ多様性は医学領域の中でも稀有と言っても過言ではなく、そのバックボーンが臨床、睡眠検査と患者教育、基礎研究、心理、社会医学、と多分野で、さらに臨床分野も、精神科、脳神経内科、呼吸器科、耳鼻咽喉科、小児科、歯科など様々ですが、たとえ、専門分野を異にしていても睡眠医学のもつ共通言語をもとに、お互いを理解し議論することによって、自分たちの知識や臨床技量を深めることができるわけです。この睡眠医学のもつ多様性をご参加の皆様と再確認したいというのがテーマの趣旨です。

 特別講演は秋田大学医学部精神科の名誉教授である菱川泰夫先生にお願いしました。菱川先生は、睡眠ポリグラフィという睡眠医学では欠かせない睡眠検査を、いち早く研究に活用し、ナルコレプシー、閉塞性睡眠時無呼吸、周期性傾眠症、レム睡眠行動異常症などで輝かしい業績を上げられました。また、菱川先生は、日本睡眠学会の前身の日本睡眠研究会の創設に参画し、日本睡眠学会の三代目の理事長を務められ、世界睡眠学会連合(WFSRS)の副会長も歴任された正しく日本が誇る睡眠医学のレジェンドです。長らく闘病生活で、学会などでの講演などからは遠のいておられ、実は臨床睡眠医学会でも数年前にも講演をお願いしたことがあるのですが、体力的なことから承諾を得られず、今回、私が組織委員長を委嘱された際に、再び、無理を承知でお願いし、ご講演いただけることとなりました。

 その他のプログラムは未定なのですが、そもそも多様性を包含している睡眠医学の学会のテーマにあえて「多様性」とした以上、睡眠医学のもつ様々な側面にスポットをあてたいと思います。そして、教育セミナーなども盛り込んで、まだ睡眠医学に取り組んで日が浅い参加者の方々にも満足してもらえるプログラムになるように努めます。もちろん、参加の皆様方からの一般演題も大いに歓迎します。日本臨床睡眠医学会の持ち味である熱いディスカッションは、きっと皆様方の臨床や論文として投稿する際のお役に立つはずです。

 会場のなんばスカイオは、大阪の「ミナミ」のターミナル「南海なんば」に直結して、交通至便の会場です。「ミナミ」は「キタ」とともに大阪の古くからの繁華街ですが、大阪人の基本的技能である「笑い」を追求する吉本の本拠の劇場や、グリコの看板のある道頓堀、買い物の街の心斎橋や大阪の台所から屋台村へと移り変わった黒門市場があり、アジアを中心とした海外の観光客に大人気の街に変貌しました。ただ、変わったと言っても1人で居酒屋に入れば、必ずと言っていいほど知らない人から声をかけられます。ちょっと閉口するかもしれませんが、それが、今も健在のなにわのカルチャーです。こうした軽いカルチャーショックは、街を歩けばどこかしこで出会うはずです。心から皆さまのご参加をお待ちしております。




             大阪回生病院睡眠医療センター 部長 
             谷口 充孝