日本臨床睡眠医学会
~日本に境界なき睡眠医学を創る集い~

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これまでの歩み

Sleep Symposium in Kansai(SSK)の時代

NPO法人大阪スリープヘルスネットワーク(OSHNet)とWorld Association of Sleep Medicine (WASM)が後援するシンポジウムとして、2006年1月に「第1回SSK」を大阪大学中之島センターにて開催しました。この回では、テーマとして、「閉塞性睡眠時無呼吸症候群の症候学」を取り上げ、種々の領域の専門家による総合的レビューを通じて、日本の睡眠研究や医療の現状と今後の望ましい展開を参加者とともに考えました。

「第2回SSK-Kyoto」は2006年11月に京大会館にて開催、Dr Wayne HeningとDr Richard Allenによる「レストレスレッグズ症候群」に関する特別講演に、6題の症例発表が加わりました。お二人の外国人講師にも英語スライドを交えた症例発表を聞いてもらい、直接コメントを出していただくという交流が実現しました。

「第3回SSK-Kanazawa」は2007年9月に金沢アートホールにて開催、テーマとして、「睡眠医学と教育」を取り上げ、日本における医学教育全般の現況を知るためのワークショップを組みました。Sleep apnea syndromeを最初に定義した睡眠医学のGiantであるProf Christian Guilleminaultをゲストにお迎えし、「睡眠医学の未来」と題した特別講演では、米国における睡眠医学の専門教育を中心にお話しいただきました。睡眠医学が医学のあらゆる分野に密接につながり、想像以上の広がりを持つものであることを学びました。この回より、一般演題のポスターセッションを組み、Prof Guilleminaultと一緒に活発な討論を行いました。

「第4回SSK-Kumamoto」では、日本での現場に直結したSleep Courseを開くとともに、神経学、神経心理学、神経病理学、睡眠医学という多方面からレム睡眠行動異常症(RBD)とその関連疾患にアプローチしました。RBDを最初に定義したProf Schenckをお招きし、「RBDの歴史と今後の展望」の題名の下、ご講演いただきました。Prof Schenckご自身もポスターセッションで発表され、RBDの文化比較へと話が及び、世界への広がりを感じさせる会となりました。

そしてISMSJ(Integrated Sleep Medicine Society Japan)へ

第4回SSKを最後に、SSKはISMSJに生まれ変わり、会員制となりました。ISMSJは、睡眠研究および睡眠医学に関する世界最新の知見について学習できる機会を提供するとともに、睡眠とその障害についてかかわる人々の交流と親睦を図りながら、共通語(睡眠生理の実践的知識と睡眠衛生)の形成をめざします。共通語が形成されることにより、睡眠のチーム医療が可能となり、次代を担う専門家の育成につながっていきます。また、より実戦的な知識とその応用を身につける機会を提供することにより、睡眠を専門としない医療関係者にも睡眠医学コーディネーターとして活動できる未来を開いていきます。こういったマンパワーが充実するに従って一般市民に対する知識の普及も可能になり、世界に発信できる日本の睡眠医学の創成へとつながっていくことでしょう。